絶妙な角度

外の世界はそこそこに精神世界で生きていこうと思考錯誤している若手農家です。興味のあるジャンルを徹底的に思い込みで執筆していきます。

病害虫に関して

エゴや感情も同じなのですが、ある事象を否定し、無理やり消し去ろうとすると反対にはそれと同じ拮抗するエネルギーが生じます

土壌も全く同じ。
例えばダイズシストセンチュウと呼ばれるマメ科に寄生するセンチュウがいますが、土壌燻蒸剤などの劇薬で抑えてもいずれまた被害が復活し、イタチごっこをする羽目になります。
なぜか?
センチュウは害である、とその存在、自らの手による必然だという事を認めず、徹底的に農薬を利用して排除しようとしているからです。しかしその結果、シストセンチュウがさらに農薬に対して抵抗性を持ち、挙句には取り返しのつかない事態に陥ります。
最近D-D剤が悪玉センチュウに対して極めてその効力が薄くなっている事を当農園でも実感しているので、早急に見直し対策が必要。

実はセンチュウは何万、何億と種類があるらしく、生態も詳しくは分かっていない。あらゆる微生物や菌類を分解したり、土壌を豊かにしたり、センチュウ同士で寄生したり食べあっていたり。
しかしその内、野菜に対して害を与える悪玉個体は非常に少ないと言われています。
ならばなぜ少ないと言われる悪玉個体であるダイズジストセンチュウやネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウが野菜に被害を与えるのか?
つまりこれは土壌内の環境が極めて、"極めて"単純化している為に起こる"必然"なのではないか、という事です。
センチュウ同士で拮抗していた絶妙なバランスが、人間の手によって崩されている、という事です。(ここらへんは佐賀大学で日本で唯一センチュウの研究を詳しくしているらしく、いつか機会があればお話を伺い所です)

センチュウだけではなく、あらゆる病害虫もそうだと言える。
ルーチン化されたたい肥の施肥、化学肥料の施肥、農薬散布、これを我々がこだわればこだわるほど、反対にある一定の勢力が強くなる。ここでいう病害虫ですね。エネルギーは決して片一方づきません。
新たな農薬を散布、すると病害虫は抵抗性を持つ。それに勝るさらに違った農薬が必要になる。化学肥料で土壌は興奮状態になる。段々と土壌が単一化していく。それに勝る肥効が強い肥料を投入する。こうなると本来の自然のバランスを取り戻せない、農薬や化学肥料で補う事でしか農業を実現できない末期的な土壌環境になっていきます。
化学肥料、農薬無しでは野菜を作れない農家になってしまう。
まるで「覚せい剤」です。それ無しではいられない。
「今すぐ化学肥料や農薬を辞めろ?嫌だ!不安だ!」… 禁断症状。